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『君と100回目の恋』…7月31日、18時10分

『君と100回目の恋』(116分 ☆☆☆★★3.5)

※ネタバレについては一切配慮していませんので、閲覧にはご注意ください。

瀬戸内海を臨む街。大学の音楽サークルで同じバンドを組むアオイ(葵海:miwa)とリク(陸:坂口健太郎)は幼なじみ。何をやらせてもそつなくこなす完璧系男子リクにアオイは想いをつのらせるが、そんなアオイにリクは何故かそっけない。

アオイの英国留学が間近に迫った7月31日、地元フェスのライブの日、歌い終わり街に出たアオイの眼前にトラックが迫る。

――シンガーソングライターmiwaと、塩顔イケメン坂口健太郎W主演の青春ファンタジー映画。

叔父が持つ不思議なレコードの力で、失敗しても時間を巻き戻し再挑戦を繰り返していたリク。こうしてリクは誰しもが認める完璧系男子となっていった。しかし、この涙ぐましい努力は、すべてアオイに気に入られたいという一心から。それにしてはリクのアオイへの言動はいかがなものか‥と、思わなくもないが、これはもちろん年頃男子にはありがちなテレ隠しに過ぎない。

本作はSFの定番である時間跳躍(タイムリープ)を物語に導入した恋愛映画であり、不慮の事故で死んでしまうアオイの未来を変えようとするリクの涙ぐましい努力が描かれる。

この手の時間の流れを取り扱う作品には、逃れることができないパラドクスがつきまとう。当然、それをどのように料理し、物語の整合をとるのかが課題となるが、本作はそのあたりが大雑把なところが残念なところ。分かりやすく言えばルールが明確になっていない。

もっとも、本作は青春恋愛映画の方にたっぷりとウエイトをかけており、SF要素は刺身のツマ程度の扱いなので、そのあたりをツッこんでも詮無きこと。リクとアオイが過ぎ去ってしまった時間を惜しむように、一年前に時間を巻き戻して存分にバカップルぶりを見せつけてくれるのを楽しめば良し。このあたりは青春恋愛映画の王道を行っている。

しかし、再び訪れた7月31日‥アオイの未来が変わっていなかったことを知ったリクの苦悩とアオイの決断には泣かされた。

先の読めない未来よりも、今を生きることが大事。当たり前のことだけど、これは意外と気づかない。そんな本作が伝えるメッセージには強く共感できる。

せっかくmiwaを起用してるのだから、歌ってもらわにゃ損‥ラストのライブで披露される「アイオクリ」がなかなか良い曲で、せつなさMAXのクライマックスを盛り上げていた。このあたり、本職ならではの説得力だね。

劇中歌:「アイオクリ」THE STROBOSCORP

出演:miwa、坂口健太郎、竜星涼真野恵里菜泉澤祐希太田莉菜大石吾朗堀内敬子田辺誠一

脚本:大島里美

監督:月川翔

2017/2/4公開 配給:アスミック・エース

(2017年2月4日 18:00 TOHOシネマズ海老名)